高校生の頃

高校生の頃をよく思い出す。高校一年で学校を辞めたいと思った。部活も体罰で辛かったし、義務教育が終わったんだからもういいじゃん。大学入れば会社に勤められて、結婚できて、子供もできて、人生完璧なんでしょ?じゃあ、高校なんていく必要ないよねって。そんな1年生の夏以降は、授業中、外ばかりぼうっと眺めていた。担任の先生に毎日、説得された。大検(当時は大検だった)を取ればいいじゃんという私には、絶対に高校を辞めたら取れないと、ずうっと説得していた。でも今振り返ると、一番真面目に話を聞いてくれた先生だったな。

そんな風に過ごしていた高校時代だったが、二年になるころの春先にクラスメイトの女の子に告白されて、付き合うことになった。即決だった。初めての恋人だった。その子はとても可愛くて、美人で、細くて、やさしくて、真面目で、勉強もできて、完璧だった。自分なんて・・・相手にされないだろうなという感じの子だった。私は浮かれて、浮かれて、学校が楽しくなった。現金なものだと思った。

二年生以降は彼女のことばかり考えていた。初めてのデートは皇居周辺だった。かなり歩かせたと思う。今思えばよく呆れなかったと思う。その後、時々、彼女の方から「一緒に帰ろう」と言われ、逆方向だったが途中まで帰るようになった。

夏休みにお互い部活が終わってから、近くの公園で話し込んだ。当時の男が一番気にしているのは手を繋ぐとか、キスとか、はっきり言えばセックスだ。そんな頃、手を繋ぐことさえできなかった私は、「手を繋ぐとかどう思っている?」と尋ねた。ドキドキして心臓が止まるかと思った。

「任せるよ」と言われた。浮かれた私は触れてもいいんだと思った。調子に乗って、彼女に体重を聞いた。とても細い子だったし、知りたいと思った。

「言いたくないよー」などと言われたように思う。立ち上がった彼女の手を握って「待って」なんて言っていた。ずいぶん話し込んだので「帰る」と言われても「そんな時間かと」思う程度だった。

後の秋頃、突然、彼女に「あの時は別れようかと思っていた」「友達にも相談した」と言われた。もちろん、体重を聞かれたことだった。驚きのあまり声も出せなかった。「普通聞かないよ」と言われて驚いた。彼氏、彼女だったらいいのかと思っていた。それは傲慢だった。

その頃、携帯も、ネットも無かったので、自宅の電話、公衆電話で話していた。週一回、電話することに決めていた。しかし、盛り上がった気分とは裏腹に会話は続かなかった。15分も話せば長い方だった。辛かった。

冬になった頃、彼女から「毎週、電話くれるけれど、いらないよ」と言われた。ショックだった。今、こうやって文章にしても驚きだな。なにせ、初めての彼女だったのでこれが彼、彼女の距離感なのかな?と疑問に思いながらも、当時の彼女と結婚するんだと意気込んでいた、私には飲み込むほか無かった。

試してみようと思って、二週間全く電話も一緒に帰る事もしなかったら、彼女からは全く何も連絡は無かった。こっちが事切れて、二週間目に一緒に帰ろうと誘うと普通に一緒に帰った。そのときに「この二週間、全く連絡取らなかったけれど、どう思った?」と尋ねると、「全然何にも思わなかった」と言われた。「私は一人の方が向いているみたい」と言われた。

夏に海に行こうよと誘っても「水着になるのが嫌だから」と海には行けなかったな。高校生の女の子ってこんなものなのかな。そうそう、写真を撮られるのも嫌だって言ってたから、一緒に撮った写真は一枚もないし、写真も一枚も持っていなかった。いまどきでそういう子っているんだろうか。スマホとかに一枚も彼女の写真がないとか。

浮かれていた私は「俺のどこが好き?」なんて聞いたら「おおよそって、そんなにカッコいい方じゃないじゃん?」「だからどこって聞かれても困る。」あ、俺ってかっこいいと思われていないんだって、高校生男子の私は凹んだなあ。

付き合って1年経った頃にもまだ、手を繋ぐことさえできなかった。「手を繋ぎたいと思わないの?」と尋ねると、「あまり思わない」「私は誰に対してもそう思わないんだと思う」と言われた。衝撃を受けたが、そうかと納得させていた。それでも手を繋ぎたかったのでその後に繋いだように思う。お付き合いを始めて、一年以上経ってから。

彼女の方からベタベタしてくることは無かった。私はしたかった。でも、しちゃいけなかった。

3年生になったある日、

「Aちゃんが彼氏のうちに呼ばれて行ったら、ひどいことされたんだって」

「どんなこと?」

「セックスされそうになったんだって」

「え?」

「そんなこと考えたことも無かったから、本当にびっくりした」

と言われた。

触れてはいけないのだなと思った。

そういえば、「今日、うちに来る?」と誘っても「今日はいいや」と言われ続けたな。

あと、今でも理解できないのは「家まで送るよ」と言っても頑なに送らせてくれなかったこと。「ぼろいから」と言っていたように思う。1年半付き合ったが送らせてくれることは無かった。

それでも、「例えばオレがほかの女子と二人きりでどこか出かけたら焼いちゃう?」と聞くと「うん」と言っていたし、向こうから告白してきたことだけが拠り所だった。

そんなことが続いていたからか、二年生の終わり頃には「私にあなたの彼女は似合わない」と言われ、泣かれて、フラれそうになった。一所懸命、説得し、事なきを得た。

3年生の秋になる頃、お互い部活動が終わって、夕方には毎日一緒に帰ることができるようになったが、ノリはイマイチだった。すぐに帰りたいと言うし、遠回りする事を嫌がった。帰り道に時間があるときには途中のベンチで話して帰ろうと誘うとイマイチだったが話して帰った時もあった。その次の日も話せる時間帯(昼頃?)だったので、今日も話そうよと誘ったら、「今日は帰る」と言われた。

私はそれまでの彼女の一緒に帰りたいとか、一緒にいたいと言う思いが全く感じられず、不安になり、怒りをため込んでいた。

「なんで?」と詰め寄ったら、その次の瞬間、「別れよう」と言われた。

あっけなかった。

そのまま別れた。それでも忘れられなかった。卒業して、夏に花火でも見に行こうと未練がましく、手紙を出したら、自宅の電話が鳴った。電話に出たら、その子のお母さんだった。

「お手紙もらったのだけれど、娘は今、大学の部活で合宿に行っていて、〜月〜日の花火には行けないので」と言われた。

全く意味がわからなかった。

なんで手紙の内容を知っているのか?今、本人は自宅にいない。

あれ?手紙を開けたの?そうだという。

驚愕だった。あれほど驚いた事は後にも先にもない。

結局、その後に電話が繋がって、予備校生の私と看護師になりたいと言って大学に進んだ元カノ女と花火を見に行った。手紙の件を尋ねたら、「ああ、いつも勝手に開けちゃうから」とあっけらかんと言われた。

ああ、だめだ。と、私はやっと悟った。

そのまま連絡は取らなくなった。

あれから、20年以上経った、今、あの子はどうしているかなと思う。結婚したと言う噂も4~5年前に聞いた。いいお母さんになっている事だろうと思った。 

これを下書きで残して、1ヶ月が経った。下書きしてから、この子の夢を見なくなった。しばしば夢に出てきて、目覚めが悪かった。当時と変わらない雰囲気で出てきて、苦しかった。うまくいっている夢が多かった。死んだ父が元気な姿で出てきたりするのと似ていた。

少し、ここで吐き出してよかったのかなと思う。

初恋

初恋

 

 かわいかったのにな・・・結婚、離婚してからイマイチになったな・・・

 

広告を非表示にする